尾底骨骨折の痛み
はじめに

尾底骨とは、尾骨とも呼ばれる、脊椎の最下部にある骨のことです。ヒトでは、3〜5個の尾椎が癒合してできた骨で、仙骨の下端に軟骨結合でつながっています。尾骨は、ヒトの祖先が持っていた尾の名残で、現在では退化的な骨と考えられています。
しかし、尾骨には重要な役割もあります。尾骨には、骨盤底筋と呼ばれる筋肉が付着しており、これらの筋肉は、腸や膀胱などの内臓を下から支える働きをしています。また、尾骨は、座るときに体重を分散させるクッションの役割も果たしています。
尾骨は、転倒や衝撃によって骨折したり、座りすぎや悪い姿勢によって圧迫されたりすることで、痛みを引き起こすことがあります。
治療前
15歳、女性。
2週間前にしりもちをついて尾底骨骨折。最初は痛みを感じなかったが、最近痛みを感じるようになってきた。硬いところに座ると痛い。
治療
中封
経渠
帯脈
通谷
天牖
曲
次膠
京門
天宗
治療後
針を全部抜いて座ってみると、とりあえず痛み無し。
この患者は生理痛も強いため生理痛に対しての治療も兼ねている。
このあと生理がきたが、生理痛は無く過ごせた。
終わりに
尾底骨は肋骨と同じように、骨折後は安静にしているしかないが、鍼灸治療では骨折部にアプローチする方法があり、局部の圧痛を取り除くことができる。
痛みが再発してきたらまた同じ治療を繰り返すことにより痛みが無い時間が長くなり、次第に治癒していく。