血栓性静脈炎
はじめに、
静脈炎とは、静脈の内側にある膜が炎症を起こす病気です。静脈は、体の末端から心臓に血液を戻す血管です。静脈炎は、表面にある静脈や深部にある静脈のどちらでも起こりますが、深部の方が重症化しやすいです。
静脈炎の原因は、以下のようなものがあります。
- 化学的静脈炎:輸液や注射などで、静脈の内側に刺激物が入ることで起こります。
- 機械的静脈炎:カテーテルや外傷などで、静脈の内側が傷つくことで起こります。
- 細菌性静脈炎:感染症や皮膚の傷口などで、静脈の内側に細菌が入ることで起こります。
静脈炎の症状は、以下のようなものがあります。
- 痛みや赤み、腫れ、熱感などがある部分が索状になる
- 下肢がむくんだり、青くなったりする
- 発熱や悪寒などの全身症状が出る
- 血栓ができて、血流が悪くなる
静脈炎の診断は、症状や触診、血液検査、超音波検査、造影CT検査などで行われます。
静脈炎の治療は、安静や冷却、鎮痛剤、抗菌薬、抗凝固薬、弾性ストッキングなどが用いられます。重症な場合には、手術やカテーテルを使って血栓を除去することもあります。
治療前
82歳、男性。
1月中旬より、歩くとき、立ち上がるときに左足が痛い。原因不明。あわせて左足の甲の静脈炎が起きているところが触るだけで痛い。押したりすると尚更痛い。こちらも原因不明。
治療
よく話を聞いていたら、去年の年末にお風呂で転倒して腰椎4番を再度骨折して1月上旬まで入院していた。
腰を触って確認してみると腰椎4番5番の間、左側に圧痛あり。
この「腰の痛いポイント」を押していると、左足の甲の触ったときの痛みが消える。
「腰の痛いポイント」を屈伸穴で圧痛を無くしてから同ポイントに刺鍼。
左足の痛み消失。
針を全て抜いて立ち上がってもらったところ、立ち上がるのに全く痛み無し。歩くときの痛みも無くなった。
治療後
待合室の椅子まで杖をついて歩いていくときも様子をみていたが痛みはないとのこと。
治療効果がどのくらい持続するだろうか。次回が楽しみ。