骨盤周辺部腰痛
はじめに、
題名に骨盤周辺部腰痛と書きましたが、今回の症例は仙腸関節部の痛みが疑われるため、以下に仙腸関節痛についての説明を載せました。
仙腸関節痛とは、仙骨と腸骨という骨が関節を作っている部分に炎症やズレが起こることで、腰やお尻、足の付け根などに痛みが出る病気です。仙腸関節は上半身と下半身をつなぐ重要な部位で、衝撃を吸収する役割があります。仙腸関節痛の原因としては、中腰での作業や不用意な動作、出産などが考えられます。仙腸関節痛の症状としては、以下のようなものがあります。
- 長時間座ることや寝ることが辛い
- 痛みのある方の臀部を浮かせて座ってしまう
- 動き始めや歩き始めが痛く、徐々に楽になる
- 痛みの部位が片側に偏る
仙腸関節痛の診断は、画像検査では難しいことが多く、患者さんの症状や触診、仙腸関節ブロックという痛み止めの注射で行われます。仙腸関節痛の治療は、安静や鎮痛剤、骨盤ベルトなどの保存的治療がまず行われます。それでも改善が見られない場合には、仙腸関節ブロックや運動器カテーテル、仙腸関節固定術などの方法が選択されることもあります。仙腸関節痛の予防やリハビリとしては、仙腸関節周囲の筋肉のストレッチや筋トレが効果的です。
治療
78歳、女性。
30年前尻もちをついてからずっと、骨盤部、お尻周りの痛みで悩んでいる。
お勝手に立っているとすぐ痛くなってしまうので、シンクに肘をついて洗い物をしている。
ご本人も、昔尻もちをついたとき病院に行かずそのままにしてしまった。ちゃんと治していないのでいまだに悪さしている気がするとのこと。
既往歴:盲腸OPE、子宮筋腫ー子宮全摘、骨粗鬆症、圧迫骨折
治療
漏谷
陰陵泉
陰包
復溜
帯脈
崑崙
屈伸
腰陽関
T4
天宗
養老
治療後
針を全て抜いて立ち上がるとき、スッとシャキッと立ち上がることができた。
いつもはベッドに手をついて押し上げてなんとか立ち上がるようであったとのこと。
どのくらい効果が持つか、次回来院時話を聞くのが楽しみである。