抗癌剤治療と体力低下:対処法とサポート
抗癌剤治療はがん細胞を攻撃し、がんの成長を抑制する有効な手段です。しかし、多くの患者さんが経験する「抗癌剤による体力低下」は、治療の副作用としてよく知られています。この記事では、抗癌剤による体力低下の原因とその対処法について、最新の研究と専門家の知見をもとに解説します。
抗癌剤による体力低下の原因
正常細胞の損傷
抗癌剤副作用による正常細胞の損傷は、疲労感や全身倦怠感の原因となります。このような状態は、体の自然な修復機能に影響を及ぼし、体力の低下を招きます。
免疫系の抑制
免疫系の低下は、感染症のリスクを高め、体力をさらに消耗させます。抗癌剤副作用としての免疫系の抑制は、がん治療の大きな課題の一つです。
消化器系の問題
食欲不振や消化不良は、栄養不足に直結し、体力の低下を促進します。抗癌剤による消化器系の副作用は、十分な栄養摂取を妨げるため、注意が必要です。
貧血
抗癌剤による骨髄抑制は、貧血を引き起こすことがあり、これが原因で疲労感が増加します。貧血は、抗癌剤治療中に特に注意すべき状態です。
ホルモンレベルの変化
特定の抗癌剤は、ホルモンバランスに影響を及ぼすことがあり、体力低下の一因となり得ます。
心理的影響
がん診断と治療過程のストレスは、精神的疲労を引き起こし、これが体力の低下に繋がることがあります。
以上のように、様々な原因による体力低下、精神疲労があり、薬の種類によってもその効果はさまざまで副作用の出方は個人個人の体力的問題、体質によって違います。
比較的弱い、マイルドな部類の抗癌剤であっても本症例のように継続服用することでジワジワと色々な体調不良を引き起こします。
抗癌剤による副作用を抑える治療はさまざまありますが、今回は鍼灸治療後、明らかに状態が変化したので、その症例報告となります。
右腋窩リンパ節腫瘍
74歳、女性。
2023年8月、右腋窩リンパ節腫瘍が再発し、ホルモン剤と抗癌剤服用開始。
服用後4カ月くらいは良かったが、5か月目くらいから体力の低下、脱毛、食欲不振が出始めた。
最近では定期的に鍼灸治療を受けていたし自宅で毎日自分でお灸をしていたが、ご飯も食べれず動く気力も無くなり、外に出れなくなってしまっていた。
治療
いつも治療内容の組み立ては呼吸器系が弱点の体質なので肺の補強と薬のダメージにより疲弊している肝臓の補強等々の治療をしていたがだんだん、だんだんと弱っていってしまっていた。
前回の治療の時はガラッと治療方針を変えてみようと思い、弱ってしまっていそうな生命エネルギーの補強(強腎処置)と抗癌剤の副反応を弱めると言われる治療(モルヒネ築賓穴)を中心に治療を組み立てた。
背部所見では右の脊中起立筋、2行線にびっしり圧痛が出ていたのを発見でき、腎治療として対応した
次の日、以下のように患者さんからLINEを貰えた
「嬉しい報告
若返りの針と腎の針のお陰でしょうか
次の日から
餓鬼地獄から脱出できています
今現在は
明日は又
変わるかもしれませんが
3日で1キロも
太る事ができました
心も元気になって
前向きです
ありがとう
食べたいのに食べれないのは
本当に悲しかった
今は満足です」
あれだけ具合が悪かったので短期間の効力かと思いきや、それから2週間後治療したとき話を聞いたら「まだ前回の鍼の効果が続いていて元気に過ごせてるよ」とのことだった。
元気になるためにいろいろ取り組んでいるなかで、明らかにこのときの治療から身体が違うので、しっかり田中の鍼の力を示せた症例となった。