左下肢静脈炎
はじめに
静脈炎とは、静脈に炎症が起こった状態で、炎症の徴候である発赤、腫れ、痛み、纐纈などが静脈に沿って出現します。 抗がん薬には血管刺激性があり、静脈炎を起こすことがあります。 また、血管刺激性の低い抗がん薬でも、点滴の針の刺激などで静脈炎が起こることがあります。
今回の患者は足の甲が真っ赤。
両足共に血液サラサラの薬の影響か、下腿全体に内出血後の黒ずみがみられる。原因は不明。

治療前
91歳、男性。
足の甲は触れるだけで痛い、立ち上がるときは左足のももが痛い。歩くたびに足が痛いとのこと。
既往歴:糖尿病、バジェット病、心臓肥大
86歳のとき転倒し腰椎4番骨折、去年末再度転倒し、同腰椎4番骨折
治療
よく話を聞くと足の痛みが出始めたのは去年末転んで骨折して入退院した後から痛みが出るようになっていた。
腰椎4番、5番のトラブルは下肢に影響が出ることがある。これが問題なのではないかと思い腰部を探る。
丁度腰椎4番あたりに押すと痛いポイントがある。骨折部が治りきっていない可能性がある。
腰の痛いポイントを押さえながら足を触ってみると痛みが無い。
腰の痛いポイントは他のツボで痛みをとってから同部位にも刺鍼。雀啄してしばらく置針。
治療後
抜針後立ち上がってもらうと足の痛み無し。
治療前は立ち上がるのもやっとであったが治療後はすんなり立ち上がれた。
歩いていても痛くない。
下部腰椎の下肢への影響力を改めて感じられた症例だった。
