夜間性喘息
はじめに、
夜間性喘息は、夜間や早朝に発作的な咳や息苦しさが現れる喘息の一種です。鍼灸治療でも対処可能です。
- 気管支喘息(喘息):気管支に炎症が続く病気で、アレルギーによって気管支が刺激に敏感になり、発作的に狭くなります。夜間や早朝に症状が悪化しやすい特徴があります。治療には吸入ステロイド薬が基本であり、アレルギーを抑える内服薬や気管支を広げる薬も併用されます。
- 咳喘息:喘息の一つで、ゼーゼー・ヒューヒューといった症状がなく、文字通り咳が唯一の症状です。治療には吸入ステロイド薬が使われます。
- 逆流性食道炎:胃液が食道に逆流することで咳を引き起こします。胃酸をおさえるお薬を服用して症状が良くなるかどうかを確認します。
- 後鼻漏(こうびろう):鼻や鼻のそばにある副鼻腔の慢性炎症による膿などがノドの奥に垂れ込むことで、仰向けに寝ると咳や痰を引き起こします。耳鼻咽喉科を受診することをお勧めします。
- 心不全:横になると肺を通っている血管に血液が滞り、それが刺激となり咳や息苦しさを引き起こします。上半身を起こすことで症状が軽くなる場合は、循環器内科を受診することをお勧めします。
喘息の夜間発作がなぜ起こりやすいのか、
- 気道・気管とは?
- 気道は、鼻から肺までの空気の通り道で、鼻腔、口腔、喉頭、気管、気管支などから成ります。
- 上気道は、鼻腔、副鼻腔、咽頭、喉頭を指し、鼻から声帯までを含みます。
- 下気道は、気管、気管支、細気管支、肺胞を指します。
- 喘息発作が夜間・早朝に起こりやすいのはなぜ?
- 副交感神経の働きによるもの:
- 自律神経には交感神経と副交感神経があります。
- 夜間は副交感神経が優位になり、気道が狭くなります。
- このため、喘息発作が夜間から早朝にかけて起こりやすくなります。
- 明け方の冷え込みによるもの:
- 明け方は気温が下がり、気道が敏感になります。
- 冷え込みによって喘息発作が起こりやすくなります。
- アレルゲンを吸い込みやすい:
- ハウスダストなどのアレルゲンが夜間に溜まりやすい。
- 布団で寝ることでこれらを吸い込み、喘息発作が起こりやすくなります。
- 気温差によるもの:
- 季節の変わり目など気温差があると喘息発作が起こりやすい。
- 副交感神経の働きによるもの:
- 喘息の原因について:
- タバコの煙、大気汚染、ダニ、カビ、ホコリなどが原因となります。
- 身近な原因に注意し、適切な治療を受けましょう。
喘息発作は、季節的に起こりやすい時期があるだけでなく、夜間から早朝にかけても起こりやすいものです。
治療前
34歳、女性。
1週間前に風邪をひいた。いつも風邪をひくと喉からくるタイプ。今回も同様に喉から悪くなり、風邪は治ったが喉だけはまだ咳症状が出る。特に夜寝ているときに咳が出てしまう。笑ったときやたくさん喋っているときもだんだん喉が苦しくなり咳が出る。合わせて左腰も痛むようになった。
治療
中封
太谿
尺沢
経渠
章門
天牖
神庭
次膠
大腸兪
生辺
魄戸
天宗
大椎
治療後
治療途中から普通に喋れるようになり、笑っても咳が出なくなってきた。
夜間の咳き込みがどうなるか、気になるところである。