ぎっくり腰
はじめに
ぎっくり腰とは、急に起こる強い腰の痛みで、腰を支える靭帯や筋肉、椎間板などに損傷が起こることが原因です。 重いものを持ち上げたり、急にねじったり、咳やくしゃみをしたりなど、日常の動作で発生することが多いです1。 中高年の場合は、加齢や運動不足で腰椎の変形や椎間板ヘルニアなどが進んでいると、ぎっくり腰が起きやすくなります。
東洋医学的にはぎっくり腰は、気や血の流れが滞って、腰の筋肉や経絡に損傷が起こることで引き起こされます。 ぎっくり腰の原因は、以下のように分類されます。
- 気滞血瘀(きたいけつお):ストレスや感情の不安定さで気や血の流れが悪くなり、腰に瘀血(おけつ)が溜まることで、刺すような痛みが起こる。
- 寒湿(かんしつ):寒さや湿気で気や血の流れが滞り、腰に寒湿が侵入することで、冷えるような痛みが起こる。
- 温熱(おんねつ):炎症や熱感で気や血の流れが乱れ、腰の筋肉や経絡が弛緩(しかん)することで、じんわりとした痛みが起こる。
- 腎虚(じんきょ):加齢や過労で腎の機能が低下し、腰に栄養が行き渡らないことで、我慢できる程度の痛みが起こる。
治療前
56歳、男性
4日前に庭仕事でスコップ作業をしていたらそこからだんだん腰が痛くなり、4日間寝たきりだった。
ぎっくり腰は16年前一回やったのみでひさしぶりにここまでの腰痛になった。
痛みの出る動作は座っている姿勢、腰の前後の曲げ伸ばし、右手を挙げて高いところのものを取る、靴下をはく、下のものを取るといった動作で痛みが出る。
治療
今回もまず姿勢を変えたりという動作がほぼできなさそうであったので座ったまま脇腹に1本針。
大分動けるようになったので横になっていただいて同じところにはりをして仰向けに。
動くときの怖さはほぼなくなるが、まだジンジンしている感じが残る。
仰向け、うつ伏せでいろいろ調べると問題点がいろいろ見つかってくる。
最後全部終わって立ってみるとジンジンするかんじもほとんどなくなり、しゃがむのも曲げ伸ばしもとてもスムーズにできていた。
治療後
動き自体は良かったが、靴下を履くときだけ少し腰が痛むようだった。再発しないように力仕事は少しの間控えるよう指導。
今回のぎっくり腰も1回の治療でほぼ治してあげることができた。