スギナ
薬草シリーズ第二弾「スギナ」
スギナ

スギナはシダ類なので、花は咲きません。種子ではなく胞子でふえる植物です。春になると地面の下に伸びている地下茎からは、スギナ本体ではなく、先にツクシが生えてきます。このツクシが胞子を飛ばす役割をはたします。
ツクシはスギナの「胞子茎」で、早春になるとぐんぐん伸び、10~15cmほどに成長します。ツクシの頭、つまり“筆の先”にあたる部分には、緑色の胞子がたくさんつまっていて、気温が上がってくるといっせいに胞子が飛び出していきます。煙のように吹き出した胞子は風に乗ってあちこちに飛んでいき、胞子を飛ばし終わるとツクシは役目を終えて枯れてしまいます。
5~7月に全草を採取し、水洗いしてから天日で乾燥させます。これを生薬のモンケイ(問荊)といいます。腎臓炎、利尿、肋膜炎、去痰、膀胱炎、回虫駆除などに、モンケイの煎じ液を服用します。また、皮膚疾患や漆かぶれには外用として用いられます。ドイツではスギナに全身の代謝促進作用のあることが知られています。特に結合組織強化剤としてリウマチ疾患、脚の浮腫、凍傷、骨折後の後遺症、痙攣性子宮周囲病などにはスギナエキスの座浴が良いとされています。これは研磨剤の用途の説明と同様に高濃度のケイ酸によるとされています。
このようにスギナは食用や薬用資源として重宝される一方で、繁殖旺盛で手がつけられない頑固な雑草として嫌われる場合があります。実際に本学の薬草園でも例外ではありません。ツクシの芽吹きを合図に、スギナとの格闘が始まります。
https://www.pharm.or.jp/flowers/post_28.html – より
腎炎、利尿などには、問荊(もんけい)一日量10gに水0・5リットルを加えて約半量になるまで煎じて3回に分けて服用します。うるしかぶれには生の全草をすりつぶして、その生汁をかぶれた患部に塗布します。あせもや化粧品かぶれの皮膚炎には問荊(もんけい)10gに水0・6リットルを加えて強火で約5分間煮出して、人肌程度に冷ましてから塗布します。生のスギナか問荊(もんけい)を適量煮出してから風呂に入れると入浴剤にもなり、湿疹、かゆみなどの皮膚病によいとされています。春先は季節の変わり目である為、アトピー、湿疹をはじめ色々なアレルギーが悪化しやすい時期です。ほぼ同時期に生えるスギナを使って、それらの症状改善を試みるのも良いでしょう。しかし、それでも改善が見られない場合は、きちんとした漢方薬を服用されたほうが効き目は良いようです。
http://www.babakanpou.co.jp/contents/minkan/sugina.html – より
スギナパウダーのきらきらした物体は「ケイ素」。
乾燥したスギナをミルサーなどで粉砕して「スギナパウダー」をつくっておくと、手軽に料理に使うことができます。
ケイ素は、スギナには3~16パーセント含まれており、ケイ素には主に「身体の組織・細胞をつくる」「抗酸化力が高く活性酸素を除去する」という働きがあります。
スギナには少量ですがニコチンが含まれています。
そのため、病気の方やニコチンに敏感な方、小さな子ども、妊娠中や授乳中の方は摂取を控えるようにしてください。
そのため、病気の方やニコチンに敏感な方、小さな子ども、妊娠中や授乳中の方は摂取を控えるようにしてください。
最もベーシックな方法「スギナ茶」
乾燥したスギナ(ひとつかみ)と水(カップ1杯)を小鍋に入れて、
弱火で3~5分ほど煮出します。薄っすらと黄緑色~茶色になれば出来上がりです。
長時間加熱すると、スギナに含まれるケイ素が少なくなってしまうため、注意してください。
https://macrobiotic-daisuki.jp/suginakounou-52142.html#index_id7 – より
このようにスギナは雑草としてはとてもやっかいなものですが、効能や使い方をみると関心が持てますね。
他にもスギナはカルシウムはほうれん草の155倍も持っていて、体に吸収されやすいペクチン酸カルシウムだったり、歯のエナメル質や爪の強度を保ち、髪の毛根まで栄養を届けてくれるためツヤのある髪にする効果があります。コラーゲンの密度を高め、筋肉の老化を防いでくれる働きもあるともされます。
さらに、カリウムはほうれん草の5倍もの量を含有。
スギナは、微量ミネラルを土から吸収する力がどの野草よりも強いそうです。
そして、新陳代謝を活性化するケイ素が含有されていることにより、さらに吸収力が高められ、骨を丈夫にします。
骨の重量減少を防ぐので、骨粗鬆症予防に効果的です。
是非みなさんもその辺にたくさん生えているスギナ、採集して試してみてはいかがでしょうか。
